ステップ2 金利タイプを決める

あなたにあった正しい金利タイプの選び方

 住宅ローン金利の選び方に”絶対これが正解だ!”というものはありません。大切なのはこれからの家計の支出(教育費など)の予想をして、金利の変化による返済額の変更に家計が対応できるかが重要です。
 今回は、検討方法の事例を挙げてみますので、参考にしながら、シミュレーション画面を使いながら、自分にあった住宅ローンの金利タイプを選択しましょう。

(事例)

 借入金を3000万円、返済期間35年、返済方法は元利均等返済、ボーナス返済とします。
 運用金利は次のように設定します。
  ・変動金利は2.225%
   (基準金利は2.925%、優遇金利は全期間0.7%優遇)
  ・固定金利選択型の優遇金利は、3年1.8%、5年2.1%、10年2.3%
   (当初の優遇金利が終了した後は、完済まで基準金利から0.4%優遇)
  ・全期間固定金利は3.2%

検討事項1 変動金利、一定期間固定金利、全期間固定金利ごとに、返済額を算出してみる
 金融機関の金利表をもとに試算をします。

金利タイプと返済額の確認


金利タイプ 毎月返済額 返済額が一定の期間
変動金利 102,877円 当初5年間
3年固定金利 96,327円 当初3年間
5年固定金利 100,925円 当初5年間
10年固定金利 104,059円 当初10年間
全期間固定金利 118,829円 完済までの全期間


検討事項2 金利が上昇したと想定した場合の返済額を算出してみる
 今回は運用金利が2%上昇していると仮定して、返済額を算出しています。

金利が上昇した場合の返済額の確認


金利タイプ 新しい適用金利 新しい返済額 毎月返済額の負担増
変動金利 4.225% 128,597円円 約2.5万円
3年固定金利 3.8% 126,586円 約4.0万円
5年固定金利 4.1% 128,361円 約2.8万円
10年固定金利 4.3% 129,191円 約2.5万円
全期間固定金利 3.2&(変更なし) 118,829円 なし


検討事項3 子供の教育費などを考えて、返済額が増えた場合でも返済できるか検討する
 運用金利の見直しが行われて返済額が増えた場合(ステップ2の結果を参照)、教育費などの住宅ローン以外の家計の支出を考慮して、住宅ローンの返済が可能かどうか検討する。

住宅ローン金利の選択方法のトレンド  ~ 金利ミックス ~
今年は変動金利や一定期間固定金利のメリットと全期間固定金利のメリットのそれぞれ生かすために、次の事例のように2つの金利タイプを組み合わせできる(通称:金利ミックス)住宅ローンを取扱う金融機関が目につきます。

〔事例1〕 変動金利+全期間固定金利の金利ミックス
借入金3000万円、返済期間35年、返済方法は元利均等返済、ボーナス返済とします。
適用金利と借入金利は次のように設定します。
変動金利を2.225%(全期間基準金利から0.7%優遇)、全期間固定金利を3.2%、借入金は変動金利で1500万円、全期間固定金利で1500万円とします。

変動金利+全期間固定金利の金利ミックスの効果
・効果1 全期間固定金利より返済額を軽減できる
当初5年間の返済額は110,852円と全額を全期間固定金利で借りた場合より、返済額が毎月約8千円できます。
・効果2 金利上昇のときの負担増を軽減できる
変動金利が5年間で合計2%上昇した場合の返済額は115,736円と返済額は約5千円の負担増となり、全額を変額金利だけよりも負担増を約2万円軽減できます。

〔事例2〕 10年固定金利+全期間固定金利の金利ミックス
借入金3000万円、返済期間35年、返済方法は元利均等返済、ボーナス返済とします。
適用金利と借入金額は次のように設定します。
このとき、10年固定2.3%、全期間固定金利を3.2%、借入金は10年固定で500万円、全期間固定金利で2500万円とします。

10年固定金利+全期間固定金利の金利ミックスの効果
・効果 ライフプランに合わせて返済額を設定し、金利上昇リスクに対応できる
当初10年間の毎月返済額は140,330円、11年目以降の毎月返済額は102,985円となります。子供が中学生になるまで教育費の支出が少なく当初10年間は住宅ローンの返済を重点的に行うことが可能で、子供の教育費がかかる11年目以降は住宅ローンの返済負担を軽減したい場合に有効です。また、返済額は借入時に決定するので、金利が上昇しても変わりません。