住宅ローンの金利には、主に次の3つのタイプがあります。各金利タイプの内容と特徴、特に金利が上昇したときのデメリットなどを十分に理解しておきましょう。
金利タイプ | 変動金利 | 一定期間固定金利 | 全期間固定金利 |
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金 利 | 日本銀行の政策金利の変更に連動する短期プライムレートが基準。 | 3,5,10年など一定期間金利が固定される。 固定期間終了後は、その時点の金利から選択する。 |
借入時の金利が完済まで固定される |
返済額 | 年に2回見直し。 5年に1回見直し。 金利が上昇しても新しい返済額は前回返済額の1.25倍が上限。 |
金利が固定される期間は返済額が一定。 固定期間終了後に選択した金利により返済額が決まる。 |
借入時の返済額が完済まで固定される |
特 徴 | 返済額が5年間一定なので、金利が急激に上昇すると未払い利息が発生。 金利が上昇しても、新しい返済額の上昇率はこれまでの返済額の1.25倍が上限なので対応が可能。 |
固定金利終了時に金利が急上昇していた場合、返済額に上限がないので返済額が急激に増える可能性がある。 | 低金利時代から金利が上昇する場合は有利で、返済計画がたてやすい。 ただし、変動金利や一定期間固定より適用金利が高いので、返済額は他の金利タイプより多くなる。 |
また、各金融機関で設定している優遇金利の内容もよく理解して積極的に活用しましょう。
優遇金利には次の2つのタイプがあります。
借入当初から一定期間、基準金利から1.5%以上優遇しています。
例えば、当初3年間1.8%、当初5年間2.3%、当初10年間2.35%などの設定があり、その後は完済まで基準金利から0.4%優遇するという仕組みになっています。
借入当初から完済まで、基準金利から、0.7~1.2%優遇しています。
変動金利の基準金利が2.625%でも、優遇金利が、1.0%であれば運用金利は1.625%となり、また金利が1%上昇して、3.625%になっても、適用金利は2.625%となるような仕組みになっています。
金利タイプ | 変動金利 | 一定期間固定金利 | 全期間固定金利 |
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メリット | ・ 全期間固定金利よりも金利は低い ・ 優遇金利がある ・ 金利が上昇しても5年間は返済額が変わらない ・ 金利が上昇しても、返済額見直し時はこれまでの返済額の1.25倍が上限 |
・ 全期間固定金利よりも金利は低い ・ 優遇金利がある ・ 金利が上昇しても、返済額見直し時はこれまでの返済額の1.25倍が上限 |
・ 借入時から完済まで金利が変わらので、返済額が一定 ・ 返済計画を立てやすい ・ 金利が上昇した場合、変動金利や一定期間固定金利よりも返済負担が小さい |
デメリット | ・ 金利が上昇すると、元本の返済割合が減る ・ 毎月返済額よりの利息金額が大きくなると未払利息が発生する |
・ 一定期間終了後の返済額は未定なので、返済計画が立てられない ・ 一定期間終了後、金利上昇による返済額の増加額に上限がない |
・ 変動金利や一定期間固定金利よりも金利が高い ・ 金利が上昇しない場合は、変動金利や一定期間固定金利よりも返済負担が大きい |
こんな人が選んでいます | ・ 金利が上昇した場合の返済額を具体的に確認している人 ・ その返済額をみて、金利が上昇しても返済が可能だと判断できる人 ・ 借入金額が少なくて、金利が上昇しても返済額が大きく増えない人 |
・ 金利上昇が心配な人 ・ 借入時は、変動金利や一定期間固定金利より返済額が多くても、金利上昇した場合に、対応ができない人 |
1.優遇金利のルールを把握すること
2.基準金利の働きを具体的に把握すること
3.優遇金利を受けるためには、給与振込を行うことなどの条件がつく場合があります。
条件を満たすことができるか確認しておきましょう。