安心してマイホームを取得するためのキーワード

マイホームの価値は”資産価値”から”安心と快適さ”に変化

 高度成長期からバブル期まで、わが国は経済の発展とともに不動産価格も右上がりの時代でした。その結果、この時代は”マイホーム=土地の高騰=資産形成”という価値観でマイホームを選んだ時代でした。しかし、経済的に成熟期を迎えた現在では、”マイホーム=豊かな人生を送るための生活基盤”という価値観のもとにマイホームを考える時代になっています。

 戦後~高度成長期~バブル期 マイホーム=不動産=資産価値
 バブル崩壊後~現在~今後 マイホーム=住まい=安心と快適さ

一生賃貸生活は本当に幸せか?

 評論家の人たちは”マイホームを購入して不動産を持つことはリスクが高い”といろいろなところで発言していますが本当でしょうか?
 もちろん、賃貸生活でも住まいに大切な安心感や快適さを確保でき、自分の生活設計にあっていれば良い選択だといえるでしょう。
 しかし、賃貸生活では次の2点について考えておく必要があります。

安心で快適な賃貸物件が少ない

 賃貸物件は床面積が少ない(3LDKでも約50m3)物件が多く、十分な間取り(3LDKで70平米以上)の物件はとても少ない状況です。もし、十分な間取りの賃貸物件がみつかったとしても、とても高い家賃の賃貸物件しかみつからない状況です。

リタイア後の家賃(合計2000万円)を退職時に現金で準備する

 一生賃貸の場合、経済的な問題はリタイア後の家賃の確保です。老後資金である公的年金や退職金などは通常の生活費ができる最低限の金額です。よって、家賃の支出は考慮されていません。
 もし、毎月の家賃が8万円だとすると、リタイア後の年数を20年とすると、8万円×12ヶ月×20≒2000万円をリタイアするまでに貯蓄する必要があります。
 もし、積極的に一生賃貸生活を選択する場合は、リタイア後の家賃準備は計画的に行う必要があります。

住宅業界は売り手側の論理から買い手側の論理への転換期

 本来、住宅会社は、物件販売を通じて、購入する人へ安心と快適さを提供する役割があります。しかし、現実には、何十年にも及ぶ住宅の大量供給という役割から抜け出せず、物件さえ売れればよいという風潮がまだまだ残っています。
 会社である以上利益を追求しないといけませんが、買い手側の視点や満足度を十分に満たす物件提供や営業活動が求められています。
 同時に、買い手側のマイホーム購入者も、専門家のサポートを受けながらマイホーム購入のための十分な準備を行う時代に変化しています。

物件選びと同じくらい重要な住宅ローンの多様化

 現在は、住宅融資の柱だった住宅金融公庫融資が廃止され、民間金融機関の住宅ローンが主軸となり、住宅ローンの選択肢が多種多様化しています。
 実際に選択できる住宅ローンの種類は100パターンを超えており、また、支払利息と手数料の合計は1千万円以上になるケースが多く、物件選びと同じくらい重要なテーマです。
 また、住宅ローンの内容自体も理解を深めないと、最悪の場合は自己破産というケースになりかねません。
 住宅ローンの相談については、住宅会社や銀行で行っている人が多いようですが、客観性を重視する場合は、住宅ローンの専門家に相談する時代になっています。